2014年12月6日土曜日

2014.12.6 (土) 健常者として障害者運動に関わるという事

   


 本気で社会を変えてやろうと思っているのは障害者だけではないはず。

ということで今回は健常者がこの活動に関わる理由や熱い思いを知ってもらおうと思い長年、障害者運動に関わってきたDPI日本会議事務局長の崔 栄繁さんをお招きし、お語していただきました。



これが崔さんの講演スタイル




 研修前半、まずは軽くお勉強から。

普段、アテンダント活動をしているだけでは知らない障害者に関するおもな法制度(障害者権利条約や障害者差別解消法etc)や差別について(直接差別、関連差別、間接差別、合理的配慮)などについて分かりやすく話してもらいました。



みんな真剣に聞いてくれています。





しっかり制度のことをお勉強した後、
研修後半は、崔さんの自分史です。

障害者に寄り添って仕事する中での葛藤、障害者に関わる事で世界が広がっていくこと。
障害者運動に関わる中で法律、制度、人が変わっていく楽しさなどを話してもらいました。
その話の中で、障害者の一緒にいることでの気付いたエピソードを簡単に紹介します。


ある障害者の人は、電車に乗る時に駅員さんに決められた場所から電車に乗るのではなく、自分が乗りたい所から電車に乗っていました。

そしてスロープを出してもらっても絶対に「ありがとう」と言わなかったそうです。
一緒にいた崔さんは、始めは頭を下げていました。
駅員さんに対してそこまでするか?そこまで言うか?と思った事もあるけど、障害者の人と飛行機に乗ったり、ご飯を食べに行ったりと色んな所に行く中で疑問が出てきました。
「なぜ、障害があるだけで頭を下げなければならないのか。」
「どこに行っても、いちいち頭を下げなければならない社会は生きにくいのではないか…。」
自分が感じた経験談をしてくれました。


同じような状況に出くわした人も多いのではないでしょうか。
そんなエピソード話はいくつもあり、アテンダントさんは共感できる話が多かったのではないかと思います。

また、崔さんが障害者に関わる時に意識していたことは、
・障害者に言われたことは断るのはやめよう。
・知ったかぶりはやめよう。
・とにかく言われたことをそのままやること。
障害者も失敗やケンカをすることも大事です。

失敗から学ぶこともあります。
当たり前なことかもしれないけど、日々のアテンダント活動の中でも自分はどうしているかなと振り返りができる話もありました。




公演の最後には、今後の目標を語ってくれました。


ずばり!

「障害者がものが言えるような制度」
「障害者がいちいち頭を下げなくてもいいための制度」を作ることです。

そんな制度ができれば、障害者も住みやすい社会になっていきます。

社会を変えたいと障害当事者と同じ志を持った崔さん。
本当に熱い気持ちをもった人です。
障害者が住みやすい社会=みんなが住みやすい社会になるようにこれからも一緒に活動していこうという気持ちにさせられました。





≪アテンダントさんからの感想≫
・介助者として介助している時の喜びや楽しみを、思い出しました。
・当事者と当事者の周りの介助者で社会が変えられるのが本当に素晴らしい事だと思いました。

・みんなそれぞれ違うけど、共に住みやすくするためにはどうすればいいか、考えながら働きたいなと思いました。
・毎年やってほしいくらいよかったです。


全体的に好評な意見が多くありました。
今回の話を聞いて障害者運動に関わるのおもしろいなと思う人が1人でも増え、メインストリームの活動やアテンダントという仕事を誰かに説明する時に役立てば良いなと思います。
また、このような研修会をしていこうと思いますので是非ご参加下さい。




参加人数 44名

2014年11月30日日曜日

2014.11.30(日)25年前のメインストリームへタイムスリップ

2014年11月11日でメインストリーム協会は25歳になりました!!


今回の研修では、25周年を迎えたメインストリームの設立当時の話を聞いてアテンダントの原点を振り返ってみようということで、
設立当初から関わっている人たちに集まってもらい、当時の話をしてもらいました。




設立当初からのレジェンドメンバーたちに、パネリストとして登場してもらい、

メインストリームを設立しようとした思いや、アテンダントサービスを始めた経緯、

自立第1号の下地さん、第2号の飯塚さん、第3号の木村さんからは、
アテンダントの制度も整っていない中、施設や親元から自立をしようと決意した思い、
自立してからのアテンダントを使っての生活の話を苦労話も含めておもしろおかしく話してもらいました。

例えば、今みたいに携帯電話なんてない時代なので、20人そこらのアテンダントの名簿を渡され
て、自力で(しかも足で)アテンダント依頼の手紙を書いたり。

電話でのアテンダント依頼のときは、家の電話だから、家族に言語障害聞き取ってもらえず、変ないたずらだと思われて、電話を切られてしまうし。。。。などなど

おもしろ話だけでなく、どのように交渉し、制度を獲得してきたかという、介助制度についての話もしてもらいました。
25年かけて変わってきた様子がよくわかり、今との状況違いに、驚くアテンダントさんも多かったですね。
与古道町の事務所の風景


当時は有償介助という考えは、世間は受け入れにくかったため、なかなか介助者が集まらなかったけれど、
「障害者も普通に遊ぶし、そのためには介助者が必要なんだ」ということを理解したアテンダントたちが、友達を連れてきてアテンダントの輪が広がっていった。
それで、自立する人も増えていき、メインストリームは大きくなっていった。といった話しを聞き、
アテンダントとして関わる場合でも障害者運動の大いに協力できるんだということを改めて気づけました。


92年当時のアテンダント研修



当時のニュースにアテンダントサービスをやり始めたところのメインストリームが取り上げられた映像や、写真なども見てもらって、メンバーの若かりし頃の姿を見れたのもおもしろかったですね。
取材された映像類は残っているので、興味がある方はスタッフまで声をかけてください♪



写真を使って年表もつくりました



アテンダントに入っているだけでは、なかなか聞けない昔話、みんなの若かりし頃のおもしろエピソードがたくさん聞けました。

いつ、潰れてもおかしくない状況だったけど、楽しみながらやっていくというメインストリームのスタイルは昔からあって、阪神大震災で被害にあったときもピンチをチャンスに変えるポジティブさ。

何をやるにしても、自分が楽しんでやってるかが大事と、元健常者スタッフとして働いていた本田さんからの話もありました。




参加したアテンダントさんからの感想をちょっと紹介します。
↓↓↓↓
●今とは全く違うという事を知り、当時の大変さを知ることができた。
けれども、同時にとても楽しそうで、これがメインの原点かなと思いました。

●25年前の障害者への対応、認識が厳しい時代に立ち向かい、生活をよくしていこうという強さに感動しました。
こうしてメインのことが知れることは、どのようなところで働いているかを説明するときに役立ちます。
非常に有意義な時間を過ごすことができました。

●過去のエピソードで知らなかったこと多かったし、アテンダントという仕事について改めて考えることができた。


感想を聞いて、やはり過去の事を知ることは大事だなとわかり、今回の研修を企画して良かったと思いました。
しかし、ホントは研修という形ではなくても、普段の事務所や利用者の家で、
いろいろたくさん話、過去のことだったり、今のことだったり、これからのことだったりを
たくさん話していくことも大事なことですよね。

研修で話した内容も、それ以外の内容でもまだまだおもいろいエピソードはあるので、
ぜひ積極的に聞いていってみてもらえれらと思います。

今回の研修会の参加ありがとうございました。


参加人数 56人









2014年10月17日金曜日

2014.10.17(金)  自立生活における医療的ケアについて

日時:10月17日(金)
ところ:メインストリーム協会

みなさん定期研修会参加ありがとうございました。
この定期研修会を受けて何が医療行為なのか、メインストリームではどのような医療行為をしているか分かってもらえたかと思います。

今回は少しでも医療行為の事についてアテンダントのみなさんと話し合ったり、考えたりしていこうと思いました。
僕たち障害者はアテンダントに医療行為をしてもらう事により自立生活ができています。

過去ではできなかったことも少しずつですがアテンダントのみなさんにしてもらえるようになってきています。


最後にしたグループワークではこれから医療行為が増えていく中、アテンダントと協力しながら生活する上でアテンダントは何が出来るか、事業所は何が出来るか、利用者はどうしたらいいか、社会にどうしていけばいいかなどを5グループに分かれて話し合いました。
グループの中では医療行為をしたことがある人もない人も入り混じって、普段から疑問に思っていたことやこれから自分たちがどうしたらいいかそれぞれアテンダント同士で意見が出て各グループで盛り上がりました。
グループワークで出た話を少し紹介します。
<社会>
・近所の人も含め、一般に向けて重度障害者が社会で暮らしていることの理解
・医療行為に対するリスクと責任を障害当事者が背負っているということの理解
・医療関係者と障害当事者の連携
<事業所>
・地域生活における医療行為についてしっかり勉強する。
・危機管理についてはどのように考えているのか?
<利用者>
・利用者の危機管理、準備
・利用者本人が医療行為について、しっかりとした知識を持っていてちゃんと伝えて欲しい
・医療行為のマニュアル化
<介助者>
・医療行為を極端に特別視しない。(慣れ)
・介助者同士の情報の共有。
まだたくさんありますが各テーマの中から抜粋しました。


今後、歳をとるにつれ障害当事者の重度化が進んで日常生活の中で医療行為が必要になってきている事は確かです。
利用者の危機管理であったり利用者本人がしっかりと医療行為の知識を持っておくなどの意見があがっていました。
緊急時の対策やマニュアルなど自分たちでできる工夫をすることが大切なことだと感じました。


これからも医療のことについて考えていかいないといけない課題の一つだと思っています。
今までは病院や施設から自立をしようと考えていても医療行為があるために、自立できないと思っている人が沢山いました。
どんな重度な障害があっても、どんな医療行為があっても地域で自立生活ができる社会を作っていきたいと思っています。
そのためには、医療行為を理解したり、医療行為に関して利用者、アテンダント、事業所と連携を取ることが必要です。
この定期研修会だけで終わるのではなくこれからもこういった研修などを取り入れていこうと思います。
その時はみなさん是非参加してください。


定期研修会参加ありがとうございました。

参加人数 33名

2014年9月10日水曜日

2014.9.10(水)  虐待について

2014年9月10日(水)

最近、虐待についての認識を向上させようという活動が、障害者運動の中でもピックアップされるようになってきました。
また、虐待とは障害者、健常者問わず身近で起こりやすいものなので、今回、「虐待について」というテーマで、虐待とはどういうものかを知ってもらい、一緒に考えこれからの活動に活かしてもらうのを目的に研修会を行いました。

研修会の内容は、2部構成で行いました。

まず第1部では、沖田から虐待とはどういうものか、虐待にはどんな種類があるかを解りやすく説明しました。

虐待とは、自分の保護下にある者(ヒト、動物等)に対し、長期的にわたって暴力をふるったり、日常的に嫌がらせや無視をするなどの行為を行うことで、虐待の加害者は、親や兄弟、友達、先生、医者、介助者など、身近な人であることがほとんどだということ。

虐待は
①身体的虐待
②言葉による暴力(心理的な虐待)
③性的虐待
④放置
⑤金銭搾取
の5つの種類があります。
また、
・気づきにくい虐待と明らかな虐待はつながっている、
・虐待はいくつもからみあっておこる、
・虐待はずっと続く、どんどんエスカレートしていく、
という3つの性質があるという説明をして虐待についての知識を深めました。


虐待についての説明

第2部ではロールプレイをしました。いろいろな虐待の事例をネットなどを参考にして参加した人が分かりやすいように少しオーバーに考えました。事例の中でも特に虐待が多かった、病院、施設、家の3つの場所での虐待をメインストリーム的に考えた物語をスタッフが演じ、そのロールプレイを
見てもらいました。
参加したアテンダントさんには、虐待が出てきたり虐待だと思った時に手をあげてもらい、その都度ロールプレイを止めながらそこに出てくる虐待がどの種類の虐待なのかを答えてもらいました。それについて沖田が解説を交えながら虐待について考えたり見直したりしました。


病院での虐待

施設での虐待
手が結構あがっています

家での虐待


最後に中原が、虐待を他人ごとだとは思わずに自分にとって身近なことだととらえながら、これからの活動に活かしていって欲しいというまとめの話をしました。

<参加者の感想>
・虐待については、最近良く耳にするがあまり考えたことがなかったので勉強になった。
・虐待には5つの種類があることを正しく学べたのは初めてだった。
・ロールプレイを交えての内容で分かりやすかった。
・虐待を他人ごととは考えずに、研修で得た知識を普段のアテンダント活動に活かしていきたいです。
・潜在的な虐待がどのようなものかを詳しく知りたかった。
・気づきにくい虐待も知りたかった。

<研修部からの一言>
虐待を定期研修会で取り上げるのは今回が初めてでした。虐待というだけで重いイメージがあるので、今回の研修を作っていくなかで重い雰囲気の研修会にならずに虐待とはどういうものかをどうやって伝えていくか色々考えました。思っていたよりも、そんなに重い雰囲気にならずに参加したアテンダントのみなさんに虐待についての知識を深めてもらうことが出来ました。
虐待は、障害者、健常者問わず身近に起こったり、やっているつもりがなくても気づかないうちにしてしまっていたりすることがあります。
メインストリームが目指している誰もが暮らしやすい社会にするためには、差別と同じくらい今の社会から無くしていかなければならないものだと思います。少しでも多くの人に虐待の意識を深めてもらい、自分自身の問題として考え日頃の活動や生活に活かしていってほしいと思っています。

参加者 36名





2014年7月21日月曜日

2014.7.21(月)  自立への道のり

2014,7,21,mon

2014年度アテンダント定期研修会報告自立への道のり 

2014年7月21日(月)ところ:メインストリーム協会

 メインストリーム協会では基本的にどんなに障害が重くても自立できるような個人ILPや集団ILPなどを考えて行っています。
 今回の定期研修会では、アテンダントの皆さんにメインストリーム協会のスタッフや利用者がどのように施設や親元から自立したかを知ってもらえるようにしました。
 2部構成で行いました。1部では当事者スタッフである太田による今やっているILPの内容、どんなところに気をつけてILPをやっているか、また自分が受けたILPでどう変わっていったかを説明しました。具体的に語ってもらいました。
 個人ILPではその人に合ったプログラムを組んでその人がその人らしく地域で自分らしく暮らして行けるようにしています。
 2部では当事者スタッフ、利用者を交えてアテンダントの皆さんとで懇談会形式を取り入れました。それぞれ四カ所で自分史やどういう切っ掛けで施設、親元から自立したのかを話してもらいました。
 当事者スタッフは、坂出、平岡、江口の三人が話をしました。利用者は牧井さんが話しました。
アテンダントの皆さんには4人の中でどの人の話が聞きたいか選択制にしました。どこもアットホームな雰囲気でアテンダントの皆さんも積極的に質問や当時のことなど話をしました。自立のキーワードは出会いということでした。4人とも施設や病院の中で人との出会いが自立を促したようでした。同じ施設に入っている人が自立しているのを見て自分も自立したいという気持ちが湧いてきたり、メインストリームの関係者に出会ったりして、自立したいという気持ちの決め手になったようです。全体的に時間が押してしまいましたが、この定期研修会の趣旨が伝わったと思います。

参加者 13名

2014年6月4日水曜日

2014.6.4(水)  メインストリームビデオ鑑賞会

 今回のビデオタイトルはこちら「彼と彼女の居場所」
これは関西テレビがメインストリーム協会にスポットを当てて作成された作品です。
主役は下地さんと下地さんに関わる若者たちです。阪神大震災で家が潰れ、メインストリーム協会が再興し、今後も彼らの生活は続いていくぞ。という内容のビデオですが、まだまだ介助制度も十分ではなく、下地さんもボランティアを使っていた頃の話です。介助者の学生たちは下地さんの家で遊び、恋人に出会い、そして大学を卒業し(または中退し)それぞれの未来へ旅立っていくといった素敵なビデオです。
この学生の中には今の健常者スタッフである。林、中尾、小谷も登場しています。
 この研修の目的はメインストリーム協会のことを知ってもらうこと、そして介助者と利用者の関係を素敵な面から見てもらえたらなということです。
 ビデオだけでなく、撮影現場にいたメンバーから、「あの時はこうだったよね」というようなコメント、または舞台裏を伝えることができたんじゃないかと思います。
 今後のアテンダント活動で自分と利用者の関係なんかを考えるきっかけにしていただけたらなと思います。





やなぴーのマジックショー(アテンダントへの注意事項)からスタート



傘を出して雨天時のアテンダント活動について

スタッフも初めて見るので驚いてます


たくさんの参加ありがとうございます

ビデオ上映中

一部を動画で撮りましたのでみてください。

 さて、今回の研修はいかがでしたでしょうか?
正直研修部の気持ちからすると、ぜひ知ってほしい。きっとこの仕事やっててよかったなって思えると考えています。
200人ものアテンダントがいる中で、なかなかコミュニケーションがとれない事もあるのが現状ですが、スタッフは皆さんとコミュニケーションをとりたいと思ってるし、「これはどうなの?」っていうことを議論したいと思ってます。
 お互いに切磋琢磨してこそ、素敵な組織になっていくんだと思っています。他にもビデオたくさんあります。希望があれば今後も上映会をやっていきたいと思ってますので、アテンダントの皆さんぜひ私たちにいろいろ伝えてください。
 お待ちしています。



















2014年5月31日土曜日

2014.5.31(土)  健常者スタッフからのお話

2014年度アテンダント定期研修会報告
第1回 健常者スタッフからのお話

2014年5月31日(土)ところ:メインストリーム協会

 研修会前半は、健常者スタッフがCILで働く事というテーマの中で、夫婦で子供を持った、小谷夫妻に「小谷家」の働き方を話してもらいました。
小谷家のお話」介助スタッフとしていろんな障害者と出会う中で「誰もが地域で生活できる社会にしたい」と視野が広がったように、仕事、結婚、子供、子育てとさらに多くの人と関わりを持つことで視野を広げることを大切にしながらこの仕事をしているという話をしてもらいました。

 研修会後半は、真名野、楠、小谷、古川の健常者スタッフ4名によるパネルディスカッションで、働こうと思ったきっかけ、給料なんぼ、介助スタッフが入るとやりたいことができないという利用者もいるがどう思うのかなどのお題に添って話してもらったり、長く介助を続けていくコツは?というお題では、ベテランアテンダントさんが答えてくれるという場面があったり、アテンダントから直接聞きたいことに答えたりと健常者スタッフとアテンダントの悩むポイントが近かったりするところもあってより身近に感じてもらえたこと、健常者スタッフの利用者やアテンダントに対する思いや仕事にたいする姿勢などを直接聞ける機会としてもよい研修会になりうました。



参加アテンダント数 40名